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“四百十五日目”

 赤黒い岩石で構築された岩山が、延々と似たような地形が広がる礫地帯の中にポツリとあった。


 空から見ても異質なそれに興味を引かれて降りてみると、その頂上には巨人の頭蓋骨のような形の大きな岩があった。


 どうやら開いた口からは内部に潜れるようで、多くの人が出入りしたらしき足跡が残されている。

 こんな辺鄙な場所にある、明らかに普通ではない頭蓋骨岩。

 何かしらお宝の匂いがするが、何だかやる気になれない。


 漠然とした感覚に小首を傾げていると、中から上がって来る気配を感じた。

 特に敵意らしいモノも感じなかったので、待つ事しばし。


 出てきたのは五人の男女だった。

 十代前半だろう戦士風の少年と魔術師らしき少女、二十代くらいの騎士風の男と女、そして荷物持ちらしき中年男性だ。

 待ち構えていた俺達にギョッとして警戒を露にしていたが、とりあえず気軽にここが何なのか聞いてみると、すぐに教えてくれた。


 この頭蓋骨岩は、どうやら迷宮らしい。

 それも【神代ダンジョン】ではなく、【人造ダンジョン】だそうだ。名称は【刻命の洞骨工房】と言う。


 建造されたのは現在から百数十年前にまで遡り、稀代の【彫刻家】であり【錬金術師】や【芸術家】だったアルネグマ・アルコマシーアが造ったらしい。

 内部は天然の洞窟を拡張したり改造したりして広げたそうで、出てくるのはゴーレム系が多数。その他は洞窟系に多く見られるモンスターが生息しているらしく、罠も多い。

 しかし最奥に居るというアルネグマの人格をコピーしたユニークゴーレムは今も稼働中で、生前と同じく作品を作り続けているそうだ。

 ボス扱いなので最深部まで行かなくてはならないが、そこまで潜る事が出来たら作品の材料と引き換えに造られた作品を人数分、確実にくれるらしい。

 街から離れているのでやって来る者は少ないが、それでもアルネグマの作品がまだ手に入るここは人気だそうだ。


 気になったので作品を少し見せてもらったが、今回持ち帰ったのは今にも動き出しそうな生き生きとした男女の石像と、荒々しい砂海を泳ぐモンスターを描いた絵だった。

 独特の癖があり、愛好家が居るのも納得できる腕前である。


 その他にもいろいろ聞いて、その礼としてここでは手に入らないちょっとした食材を渡して別れた。 

 作品を見てどうやって造っているのか気にはなるが、【人造ダンジョン】はベルベットの一件もあって入る気にはならなかった。


 【神代ダンジョン】はそもそも攻略される事を前提にしているのでそんな気持ちになる訳もなく、ここも誰かが入る事を前提にしているようなのでこんな気持ちになるのは間違いかもしれないが、今回は先に進む事にした。


 色々あったが、寄り道もここまでだ。

 明日には到着できるだろう。



Day 414 == Day 415 == Day 416


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