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“四百十二日目”

 太陽が昇ったばかりの早朝、【太陽王】一行と“砂蟲波”が遭遇した。

 砂嵐みたいに激しく砂を巻き上げながら走る“砂蟲波”は圧巻の一言で、普通の町や都市ならそのまま蹂躙されてしまうだろう。

 外壁などは薄紙のように破られ、家屋が粉々になる様子が容易に想像できた。


 それによく見ればやや離れた後方には、お零れ狙いのモンスターの群れまで居るようだ。

 運良く“砂蟲波”を凌げても、これでは他のモンスターの群れに襲われる。

 戦う力を持つ者は数で蹂躙され、戦う力を持たない者は絶望の中で息絶える。

 そうなれば誰も助からないだろう。


 だからこの地を治める者の役目として迎え撃つ【太陽王】は四翼を広げ、その前方に現れた。

 その全身はまるで太陽のように輝き、燃えているかのように揺らめいている。


 空を飛行する【太陽舟】から離れて単身で滞空する【太陽王】は、しかし最も強い古体の“大殻地災巨蟲”(アルクァータル・ザルヴァトワーム)の攻撃がまだ届く高度にいる。


 もっと上昇すればいいのに、とは思うが、何かしらの理由があるのだろうか。

 疑問に思いながらも遠方から観察していると、【太陽王】が【神器】だろう魔杖を掲げ、何か能力を行使し、そして地上に小さな太陽が生じた。


 【太陽王】が放った攻撃だ。

 目も眩むような光が弾け、しかしその中でも俺は見た。


 超超高熱の小さい太陽が砂漠に落下し、秘めた破壊を撒き散らす。

 それだけで成体と幼体の“アルクァータル・ザルヴァトワーム”は即座に焼死。

 地中に隠れている部分があるので全体は分からないが、地上に出ていた部分の体表は黒く炭化してボロボロだ。

 内部にまで通った熱は確実にその命を燃やしたのだろう、生命力は強いはずだが倒れ伏してからピクリとも動かない。


 古体の“アルクァータル・ザルヴァトワーム”もまた黒く炭化してボロボロだが、コイツはまだ生きている。

 小さな太陽に焼かれながらも再生し、激痛からか我武者羅に暴れている。巨大が激しく蠢き、その周囲では大きな地震が起きている事だろう。


 だが、その姿はただ哀れだった。


 そして【太陽王】の一撃は“アルクァータル・ザルヴァトワーム”のみならず、その後方にいた他のモンスター群まで呑み込んだ。

 所詮お零れ狙いでしかないモンスター達は弱く、灰も残さず焼失していた。

 存在の名残は、融けてガラス状になった地面に残された影のような紋様だけである。


 広範囲に圧倒的な破壊をもたらした小さな太陽は短時間で消失したが、その頃には凄まじい衝撃波と耳をつんざく轟音、そして全身が燃えるような熱波がコチラまで届く。


 周囲の≪ガンジナムス大河≫の水がゴボゴボと沸いたくらい強烈な余波は、それだけ【太陽王】の強さを示している。


 現状では敵対していないので襲撃しないが、敵対して戦うとなると中々の難敵になりそうだ。


 まあ、それはともかく。


 近くに潜み、様子を覗いていた分体まで蒸発したのは予想外の事である。

 【隠密】能力を高め、気付かれないように能力を特化させていた小型とはいえ、その分体が蒸発するとはちょっと想像を超えていた。

 【炎熱吸収】があるので俺本体には効かないどころか強化できると思うのだが、強すぎる力は能力を凌駕する――大丈夫だとは思うが――かもしれない。


 それに本体は無事でも高価なマジックアイテムの類が溶解したら泣くしかない。

 その対策は何かしらしておこうと思いつつ、残った古体の最期を見届ける。


 地上に露出した部分が炭化した古体は急速に脱皮する事で怪我を癒やすも、万全には見えなかった。内部まで浸透したダメージと、脱皮によって消費した体力が多すぎるのだろう。

 それに小さな太陽は消失したとはいえ、その場に残る熱だけでも普通なら致命的なのか、身体のアチコチが再び燃えている。

 古体は苦しそうにもがきながら【太陽王】に向かうが、そこへ太く巨大な破城鎚のように変化した黄金の炎熱が四十ほど身体に突き刺さる。

 そして内部から燃やされているのか古体の口から炎が噴出し、より一層苦しげに暴れ回る。しかし無駄な足掻きでしかない。


 その後は【太陽王】に砂嵐をぶつけるなど幾らか反撃してそれなりにダメージを与えたが、全力を出し続けても衰えない攻撃の前に古体は遂に息絶えた。


 振り返ってみれば短いが、中々見応えのある戦いだった。

 そう思って感心していると、余波で致命的なまでに上昇していた周囲の温度が急速に下がっていくのを感じる。  どう考えても普通の下がり方ではない。

 これもまた【太陽王】の力なのだろうか、と思いつつ、消えてしまう前に【炎熱吸収】でその力の一端をジックリと味わった。

 折角【太陽王】の力が宿る熱を逃す手はない。


 まず感じたのは、まるで魂が火照るような心地よさだった。

 春の日だまりで微睡むような感覚とでも言えばいいのか。横になればそのまま寝てしまいそうになる。


 【太陽王】そのものではないが、その力の一端だけでこうなると、本物だとどうなるのが気になるが、今日は我慢しよう。


 その代わりに周囲一帯に広がる力を一欠片も残さず【吸収】した。

 はふ、と心地よさに息を吐く。


 など色々あったが、これからまだ出会った事の無い食材を求め、俺達の旅は続く。

 ここで止まる訳にはいかず、前に進む必要がある。


 さて、【神秘豊潤なる暗黒大陸】まで、何日くらいで着けるだろうか。



Day 411 == Day 412 == Day 413


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