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Day 381-390/Day 388

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Day 388Edit



Day 388



PLACE TRANSLATIONS ABOVE THE BAR. THESE ARE THE RAWS, LEAVE THEM HERE UNTIL SOMEONE DOES A REAL TRANSLATION (NOT JUST A GT OR RUSSIAN TRANS). CLICK EXPAND TO VIEW THEM.


 “三百八十八日目”

 昨日の夜遅くに無事鍵を手に入れて門の前に集合した俺達は、そこで一夜を過ごす事になった。

 鍵集めの順位は一位がブラ里さんとアス江ちゃんの四班、二位はカナ美ちゃんとスペ星さんの二班、三位がミノ吉くんと赤髪ショートの三班、そして四位が俺と子供達の一班、という結果である。


 俺が最後になってしまったのは、子供達の為に安全第一で攻略していった結果である。

 見学だけでなく、時には弱らせてから戦わせるなどもしていた為、思ったよりも時間を使ってしまったらしい。

 もう少しギリギリを攻めても今の子供達なら大丈夫だったかもしれないが、油断から即死しても困るので、まあこんなモノだろう。


 正直に言えばブラ里さんとアス江ちゃんの四班がトップになるとは想像していなかったが、どうやらアス江ちゃんが砂壁を壊しながら進んで行った事で時間が短縮されたようだ。

 まあ、普段から硬い岩盤を砕いてきたアス江ちゃんである。硬いとはいえ、【神代ダンジョン】の壁とはいえ、今ならさほど困難な事ではないと言う事か。

 戦闘時はブラ里さんが突進して惨殺、探索は最短ルートで、となれば、こういう順位になるのも頷ける。


 二位のカナ美ちゃんとスペ星さんの二班は、まあ順当な順位だろう。

 探索も戦闘も、どちらも高い水準で確保されている、ある意味一番バランスのいい班だ。

 迷路に惑わされても、短時間で正解を導き出せるだろう。


 対して三位のミノ吉くんと赤髪ショートの三班は、戦闘はともかく、探索能力は低い。

 どちらも脳筋よりなので、複雑な構造で惑わしてくる内部構造に苦戦した結果のようだ。


 などと考察しながら、負けは負け。

 仕方ないので罰ゲームは謹んで受けるつもりだが、朝飯を喰った後は、鍵を嵌めこんで扉を開けた。


 そして扉の先には、“砂城の近衛教兵長(シャカル・ファレス・ヴェナ)ワサト”と名乗る、大量の血を吸ったように赤黒い砂の巨人が存在した。

 ダンジョンボスかと思えば、残念ながらまだエリアボスらしい。

 身の丈は十メートルを超え、下半身は巨大な鋏と毒の滴る尻尾を持つ蠍。ヒトのような上半身にある八本腕はそれぞれ巨大な得物を持ち、砂を固めたような分厚い重全身鎧を着ている“砂城の近衛教兵長”の背後に上階へ続く螺旋階段がある事から、ダンジョンボスの前の試練とでも言えばいいのか。


 俺達は鍵を手に入れる為にそれぞれ配置されていた“砂城の近衛教兵”を倒す事になったのだが、俺が倒した近衛教兵シャルクは剣を、カナ美ちゃん達が倒した近衛教兵ガルブは斧を、ミノ吉くん達が倒した近衛教兵ガヌーブは槍を、ブラ里さん達が倒した近衛教兵シャマールは短剣を得物にしていた。


 そして“砂城の近衛教兵長”はまるでそれ等が一体になったような存在であり、侵入者である俺達を見据え、怒りの咆哮を発した。


 見た目に反して修める技術は超一流。得物による多彩な攻撃だけでなく、下半身の鋏と毒々しい尻尾の刺突は侮れない。

 また体内の何処かにある小さく硬い八個のコアを壊さない限りはほぼ無限に再生し、コアの数だけ分裂も可能なだけでなく、砂化する事で砂嵐の様な無差別範囲攻撃が出来るなどの特殊能力も多い。

 また待ちかまえている部屋自体が“砂城の近衛教兵長”を補助する機能があり、外で戦うよりも遙かに強いだろう。


 普通に戦うと全滅か、もしくは瀕死の撤退戦を余儀なくされるだろうレベルのダンジョンモンスターだ。


 しかしながら、今回は単純に相手が悪過ぎた。

 そう言う他ないだろう、無慈悲な蹂躙が“砂城の近衛教兵長”に降りかかる。



 [エリアボス[砂城の近衛教兵長ワサト]の討伐に成功しました]

 [初回討伐ボーナスとして宝箱【砂幻の武錬棺】が贈られました]



 戦闘開始から十数分後、そのタフさから何とか耐えていたモノの、“砂城の近衛教兵長”の動きを見切って全てのコアを摘出すると、後には大量の赤黒い砂が残された。

 取りあえずコアを喰い、砂を【森羅万象】で集め、【高圧縮】で小さく圧縮する。巨人を構成出来る程の量だ。圧縮してヒトの頭ほどのサイズになると、これ以上は中々難しい。

 圧縮された事でミスラルナイフで削る事も出来ない硬度になったそれを、またパクリと喰ってみる。


 何かしらラーニング出来ないか、とも思ったのだが、まだちょっと足りない様な感覚があった。

 後に期待するとして、俺達は螺旋階段を昇っていく。


 空間でも弄っているのか、螺旋階段は延々と続いていた。

 時折襲いかかって来るダンジョンモンスターとの戦闘以外は、小一時間は上り続けただろうか。


 階段の上から巨大な丸岩が転がってきたり、階段の段が急に消失して滑り台みたいになったり、上から大量の砂が押し寄せてきたりと、鬱陶しい罠が仕掛けられた螺旋階段も遂には終わりがきた。


 螺旋階段の先にあったのは、数百メートル四方の何も無い開けた大部屋だった。

 

 ココにあるのは上って来た階段と、外を見る事の出来る幾つかの大窓くらいだろうか。

 大部屋を彩る装飾品は無く、椅子や机といった家具も無い。ここには【砂城の楼閣】のダンジョンボスが座すに相応しい玉座でもあるかと思っていたのだが、本当に何もない事に拍子抜けした。

 さて、こんな何もない大部屋の何処にダンジョンボスは居るのだろうか、そう思いながら大部屋の中心に向けて歩いて行ってみると、砂床の一部が盛り上がる。


 ゴボゴボとまるで湧き出すように砂が溢れ、それはやがて一体の怪物を形成した。


 怪物の下半身は禍々しい黒紫色の斑な甲殻を纏う異形の巨大蠍、怪物の上半身は薄い砂衣を纏い美しき魔杖を持った清楚な女性。

 上半身だけを見ればまるでどこかの【聖女】のように厳かで侵しがたい雰囲気があるものの、それだけに禍々しい四本鋏と三つの毒尾を持つ下半身が際立っている。


 出現したのは“砂城の女教主(シャカル・バーバミル)”と呼ばれるダンジョンボスだ。


 【砂城の楼閣】のダンジョンボスに相応しい威圧感を発す“砂城の女教主”は閉じていた瞼を開け、赤い眼で周囲を睨んだ。

 そこに映る俺達を敵と認識したのか、『キィイイイイイイ!』と甲高い絶叫を発す。

 怨念が込められたそれは衝撃となって大部屋を震わせ、周囲を波立たせる。比喩ではなく、文字通りに大部屋が波立ったのだ。


 そこからの変化は劇的だった。

 波打つ周囲は“砂城の女教主”が出現した時のように湧き出す砂で溢れ、次々と怪物を形成している。

 まず、鍵を得る為に殺した“砂城の近衛教兵”が三十体出現する。その後、二体の“砂城の近衛教兵長”が出現した。

 出現したダンジョンモンスターはこれまでと違って名乗る事も無く、また倒してきた個体よりも一回りか二回りは格が下がっているように感じられるが、それを補うほど数が多い。

 かなり余裕があった大部屋は今や敵の巣窟であり、ダンジョンボスである“砂城の女教主”を守るべき壁が構築されていた。


 その事から、“砂城の女教主”は個よりも群れとして強い、ダンジョンボスにはありがちなパターンの敵らしい。


 準備が整ったのか、“砂城の女教主”は手下の壁に守られながら手に持つ魔杖を使って【魔法】を紡ぎ、それと並行して三尾から薄紫色の毒煙を噴出している。

 毒煙は見るからに猛毒であり、【耐性】があっても危険そうだ。また経験から紡がれている【魔法】は、配下諸共に吹き飛ばす強力なシロモノだろうと推測できる。


 自身の役割を理解し、効果を最大限発揮する立ち回りからして頭も悪くないようなので、追い詰めれば嫌な行動も増えそうだ。


 細部まで観察しながら、俺は腰に佩いた二振りの鬼哭刀を抜刀。

 それに合わせ、【弧月飛翔閃】【嵐風・改】【聖十字斬り・改(グランドクロス・スマッシュ)】【大斬貫強化】などを重複発動。

 ついでに似た系統の【戦技(アーツ)】も上乗せする。

 黒と白、そして赤い燐光に彩られた飛ぶ斬擊は進行方向にいたダンジョンモンスターを問答無用で切り裂き、奥に潜む“砂城の女教主”が瞬時に生み出した赤黒い砂壁までその刃を届かせた。

 しかし赤黒い砂壁は尋常な硬度ではなかったのだろう。

 まるで分厚い金属板を切断したような甲高く耳障りな音と共に砂壁は斬り崩れたが、本命には届いていない。 


 目前に迫った“死”に恐れたか、あるいは無礼な侵略者に対する怒りからか。

 それは分からないものの攻撃を凌いだ“砂城の女教主”は悲鳴のような咆哮を発し、それが本格的な戦闘開始の合図となった。


 まだ残っているダンジョンモンスターが攻勢に出る一方、こちらも敵を抹殺せんと疾駆する。


 砲撃めいたミノ吉くんの突進。乱舞するブラ里さんの血剣。

 凍結させるカナ美ちゃんの魔氷。流星の如きスペ星さんの魔術群。

 猛獣のような赤髪ショートの襲撃。そして子供達の遠隔攻撃。


 広いとはいえ、ここは周囲を砂壁に覆われた空間である。

 身体を震わせる轟音は反響し、まるで大地震でも起きたかのように振動する。


 戦闘は時と共に激しくなり、大部屋には生々しく苛烈な戦闘の痕跡が刻まれていく。


 その特性から強さよりもタフさが厄介なダンジョンモンスター達にやや手間取るが、既に戦闘を経験した相手だ。

 殺し方も分かっていたので、三十分も経過しない間に殆ど討ち取った。


 最後は蠍の下半身が切り落とされ、心臓である赤いコアを俺の銀腕で抉り取られた“砂城の女教主”が絶命して終了だ。

 後は美味しく頂こうかと思ったが、手の中のコアを残して“砂城の女教主”の身体は砂と化してしまった。

 何故だ。



 [ダンジョンボス“砂城の女教主”の討伐に成功しました]

 [神迷詩篇[砂城の楼閣(シャカル・カラブ)]のクリア条件【砂上楼閣】【軍勢殲滅】【教主攻略】が達成されました】

 [達成者一行には特殊能力(スペシャルスキル)【一夜ノ砂城】が付与されました]

 [達成者一行には初回討伐ボーナスとして宝箱【幻想の砂城柱】が贈られました]

 [攻略後特典として、ワープゲートの使用が解禁されます]

 [ワープゲートは攻略者のみ適用となりますので、ご注意ください]


 [詩篇覚醒者/主要人物による神迷詩篇攻略の為、【砂城の神】の神力の一部が徴収されました]

 [神力徴収は徴収主が大神だった為、質の劣る神の神力は弾かれました]

 [弾かれた神力の一部が規定により、物質化します]

 [夜天童子一行は【砂城神之砂楼壺(シャンカラブナス・パティエナス)】を手に入れた!!]


 [特殊能力【迷宮略奪・鬼哭異界】の効果により、制覇済み迷宮を手に入れる事が出来る様になりました]

 [条件適合により、[砂城の楼閣]を略奪可能です。略奪しますか?

  ≪YES≫ ≪NO≫]



 ダンジョンボスの素材はコアと、【高圧縮】してかき集めた砂の塊だけ。それにガクリと肩を落とすが、それは後日喰うとして。

 今回手に入れた【神器】である【砂城神之砂楼壺】――五十センチ程のシンプルな壺で、その中には一日だけしか持たないがあらゆる構造物に変化するある意味無限の砂が入れられている――と宝箱を回収し、≪YES≫を選択する。



 [特殊能力【迷宮略奪・鬼哭異界】が発動しました。現時点より[砂城の楼閣]の支配権は【砂城の神】から夜天童子に移行しました]

 [以後、迷宮の調整は任意で行ってください]



 後は普段通りにあれこれ設定を弄っていった。

 カナ美ちゃん達が“砂城の近衛教兵”から回収した宝箱などの精査や、攻略されないように攻略難度を上げたり、面倒な罠も増量しておく。

 そして新しく造った隠し部屋に【鬼哭門】を設置すれば完成だ。

 名前はテキトーに【砂城の鬼楼】とでもしておいた。


 一仕事を終えた後は、少し迷宮酒を飲んでから外に出る。

 夕方頃だったので、≪ムシュラム・ジャンナ≫で待っているだろう姉妹さん達の晩飯が今から楽しみだ。




Day 387 == Day 388 == Day 389


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